FIFAワールドカップカタール大会にて、グループEを一位通過で勝ち上がり、決勝トーナメントにて、惜しくもクロアチア代表に敗れた日本代表の活躍は、未だ記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。日本中を歓喜を巻き起こしたサッカー日本代表の中でも、ひと際注目を浴びた選手、それはまさに「三苫薫選手」ではないでしょうか。「三苫の1ミリ」というトレンドワードを作り上げた、そのワンプレーは日本のみならず、世界を唸らせたました。
今回は、その三苫選手の子ども時代から現在までの成長の道のり、その時々で何を考え何を実践してきたのか?プロサッカー選手を夢見るこどもたちにとっては、非常に身近でわかりやすい、プロになるためのヒントになる内容が記されていますが、本書はどちらかというと、こどもたちよりも大人たちに向けた、三苫選手自身が分析する彼の思考法を自ら読み解く内容になっています。
サッカーに関係なく子どもを持つ親に読んでほしい
親世代にとっては子どもの教育方法について、子どもたちにとっては、今すべきことや考え方などをサッカーを通して解説してくれています。彼の元々持っているポテンシャルが高いというのは間違いないと思いますが、三苫選手が当たり前のようにしている努力や習慣、また周りの環境や人間関係など、後天的に身に付けてきたスキルや思考法を知ることで、多くの人の生きるヒントになるでしょう。
世界の舞台で戦うために自分は何をすべきなのか?非常に真面目で貪欲で素直なその性格も浮き彫りにしながら、物事に取り組む姿勢から、サッカーに興味がなくても、私生活や仕事においても役立つ情報が盛りだくさんです。ぜひ読んでみることをおススメします。『夢を叶える逆算思考 VISION 、双葉社、三苫薫』
こんな人におすすめ!
- 子育てにおいてどう教育したら良いのか悩んでいる親御さん
- 好きなことで世界レベルの一流を目指している人
- 指導者を目指している人
三苫選手の目標は?
「後世に語り継がれる選手になる」というのが三苫選手の目標である。それは「プロサッカー選手になる」や「海外で活躍するサッカー選手になる」などではなく、もっと先をイメージしたVISIONである。プロサッカー選手になるというありがちな目標や夢ではなく、“後世に語り継がれる選手になる”という一見曖昧ではあるけれど、かなりハードルの高いところを見据えた目標を三苫選手は意識している。であるが故に、平均的な努力や練習ではなく、目標を達成するために必要なことはすべてやるという、終わりのない試練を自らで掲げ突き進んでいる。
三苫選手が子どもたちに向けて送った「3つのアドバイス」
そんな三苫選手が子どもたちに次のような「3つのアドバイス」を送っている。
- 自分にしかない武器を持つこと
- 自分を分析する力を身につけること
- 毎日の努力を積み重ねること
共通して言えることは、自らを客観視できること。自己分析の上に、自分の長所を理解し伸ばす努力を継続していく。言葉で言うのは簡単だが、これを子どものころから高いレベルで意識し、実践し続けることができるのはほんの一握りの子どもだけかもしれない。
夢を叶える逆算思考とは?
本書のタイトルにもなっている「逆算思考」。三苫選手が常に意識しているのが、この逆算思考という考え方です。
逆算思考とは…?
自らが目指す「ゴール=目標」から逆算して、今取り組むべき課題を合理的に導き出し、自己をアップデートしていくこと。
大人が子どもにしてあげられること
この今自分が何をすべきか?ということは裏を返せば、何はやらなくてよいのか?ということも判断しなければならない。時間は有限であり、すべてのことをやるには足りない。あれもこれも必要と絞り切れずに、本当に必要なことを後回しにしてしまったりやり切れなくなってしまう人も多いなか、きちんとその選別が自分でできること自体が難しい。しかし、この逆算思考を小学生から実践できれば、夢や目標を達成する確率はかなり高くなる。そういった考え方を大人がわかりやすく、理解させることができるかどうか?ということも非常に重要な点。子どもが自ずと身に着けるにはレベルが高いことでもあるからこそ、大人がそのヒントを見せてあげることも重要だ。
自分を信じれるかどうか
最後に、成長し続けるには自分が選び取ったこと、するべきこと、やってきたことなど、包括的に信じ切れるかどうかが重要だ。これで良かったのか?もっとああしておけばよかったのか?など、迷いが生まれると人は何事も継続を阻害される。自分を信じれる自信こそ継続力を生む。そして、自分に期待できるからこそ、最高のパフォーマンスが発揮できるのだ。自分にできるわけがない、そう思うのであれば、それ以上にはなれないのだ。自分で考える力は急に身につくものではない。小さな考えるきっかけの積み重ねを繰り返し習慣づけられるスキル。失敗したくないから、間違いたくないからと正解を導き出すために考えてばかりで実践しないのもよくないが、自らが考え導き出した答えでトライをすること、そこに失敗があろうとも、そこから学び取っていく力があれば人は成長を止めない。諦めなければまだチャンスは残っている。
このように、三苫選手は子どものころから自らで考え実践を積み重ねてきた選手であることがわかる。努力の積み重ねの先に、身につけた技術を磨き続け今日もトップリーグで活躍をしている。一概に真似をすればよいというわけではないが、彼の考え方をきちんと理解し、学び取れる部分は九州しながら、必要だと思うことを実践していけば大きく飛躍することは間違いない。
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